80年代の文化を懐かしむブログ

昭和52年(1977年)生まれの筆者が小学生だった1980年代を思い返して綴るブログです

「ポプラ社 江戸川乱歩シリーズ」の思い出

ポプラ社 江戸川乱歩シリーズ』の思い出

 

筆者は小学生のとき、クソバカでほとんど勉強せず成績は常に下でした。
小学校の授業もまともに聞かず常にファミコンや友達との遊びのことばかり考えているような少年でした。

そんなクソガキでしたがとにかく読書だけは大好きでした。

 

クラスの学級文庫にあるにある本を次から次に読んでいったわけですが本を読んでいたおかげで文章の読解能力は養われていたようで、国語の能力下地は付いていました(しかしそもそも授業を聞いていないので国語の成績も最悪でした。
国語の基底能力だけはあったからか、中学生になったら勉強にまじめに取り組むと落ちこぼれだった小学生時代は無かったのごとくあっという間に成績はぐんぐん上がっていたわけですが。

 

さて小学区3-4年のときはポプラ社の「江戸川乱歩 少年探偵シリーズ」が本当に好きで次から次に読んでいきました。

このシリーズを次から次に読んでいったわけですが、クラスの学級文庫にある乱歩の小説を読んでしまったあとは親におねだりして次々買ってもらいました。
筆者の両親は両方とも編集者の仕事をしていまして出版物に格別の思い入れがあるため、小説でも漫画でもとにかく出版物はまったく渋ることなく本屋さんで買い与えてくれました。

結構表紙がおどろおどろしくて今考えるととても乱歩らしい装丁の本だったと思います。

 

しかしシリーズたくさん読んでいるうちに怪人20面相シリーズ、少年探偵団シリーズは正直飽きが来ます。
というのも乱歩の描く刺激に慣れきってしまい、子供向けに書かれているこのシリーズでは作中で「コロシ」が一切出てこないので、「なーんだ、結局人死にがないんでしょ」とひねた感想を感じるようになってしまいました。

特に「怪人20面相」という乱歩作品でよく登場する泥棒は人殺しをしないので、コイツが登場する乱歩作品は敬遠していました。

ネタバレを避けるために作品名は申し上げられませんが、とある謎の犯罪者がタイトルになっている作品を買って読み進めていたことがあるのですが、作中で「コロシ」が出てこなくてがっかりしていたらラスト付近で謎の犯罪者の正体が「怪人20面相」だと明かされまして、「ふざけんな!テメーだったのかよ!だからコロシが出てこなかったのか」とすさまじくガッカリした記憶があります。

 

乱歩作品の中で最も筆者が印象に残っているのは『三角館の恐怖』です。

『三角館の恐怖』は乱歩の子どもむけシリーズとは一線を画するがっつり人死にが描かれる純粋なミステリー小説でした。

 

小学生(おそらく小5くらい)の筆者にとってはホラーにも思えるくらい緊張感の強い作品で手に汗を握りながら読んだのを覚えています。
本書を寝る前に読んでいて気づいたら夜2時だったのを覚えています。
その当時いつも夜9時には寝ていたのですが、『三角館の恐怖』に魅入られてがっつり夜更ししてしまいドキドキしてなかなか眠れなかった一夜がありました。

 

江戸川乱歩作品はもう読んでいませんが、今思い返すといまだにミステリー小説が大好き筆者の素地はこのころに作られたのだと思います。