「不良集うゲーム喫茶」の思い出
ゲームセンター(ゲーセン)やゲーム喫茶というとかつては不良のたまり場でした。(70-80年代)。
デパートの屋上やおもちゃ屋さんの中にもゲーム機はありましたが、こちらはわりと健全で小学生から中学生がメインの客層だったイメージがあります。
ゲームセンターは純粋にゲームを遊ぶところですが、ゲーム喫茶はそれとはちょっと違います。喫茶店のテーブル自体がゲーム機になっている喫茶店といえばわかりやすでしょうか。
筆者が生まれる前に大流行したとされるインベーダーゲームも喫茶店のゲーム機で遊ばれたと聞いています。
小学6年生のときですが暇を持て余したクラスの友達グループ5人くらいで「ゲーム喫茶に行こう」という話がもちあがりました。
友達グループのうちのKが「〇〇小(我々が通っていた小学校)を卒業した先輩がよくいるっていうゲーム喫茶があるんだ」 と言い出したのがきっかけでした。
駅近くの雑居ビルの地下、そのゲーム喫茶はありました。
小学生5人で店の中に入ると薄暗い店内にたばこの紫煙がくるゆ独特の雰囲気でした。
いろいろなゲーム機の筐体があり、我々グループは怖気づきつつもテンションが上がってきました。
当時のアーケードゲームはスペック面でファミコンを大幅に凌駕しており、とても綺麗な画面に目が釘付けになりました。
初めて来たゲーム喫茶でどう遊べばよいか決めかねていた我々グループに近づいてきた中学生がいました。
Kが言っていた中学生の先輩でしたが、中学校の制服を多少着崩していて長い前髪が印象的。
気さくに「よう、お前ら〇〇小だろ?まあ遊んで行けよ」と声をかけてくれました。
当時小学6年生の筆者に中学生の知り合いはいませんでしたので、髪型もボサボサでしたが前髪が垂れてとてもかっこよく大人っぽく見えました。
スラムダンクの流川くんみたいなイメージと言いましょうか。
こんな場所にいつもいるということはいわゆる不良だったんですかね?
中年となった今では筆者からみると中学生はまだまだ成熟しきっていない幼いイメージがありますが、当時の小学生の筆者からみるととても大人びてみえたということですね。
このときは小学生だったから勘弁してもらったのかもしれませんが、こういうたまり場になっているようなところはツッパリ(死語)にカツアゲされるリスクが常に潜んでいますから、筆者は中学生になって以降立ち寄りませんでした。
その後、筆者のグループの誰かが座ってゲームを始めてそのプレイを周りでみんなで見るという形で場慣れしない感じで楽しんでいたところ、店員のおばちゃんが我々のグループに近づいてきて何も言わずにコーラを5人分提供してくれました。
どういうルールかよくわかっていなかったのですが、どうも来客には無料のウェルカムドリンクが提供される店だったようです。
おばちゃんはコーラを提供したあと奥のカウンターに引っ込むと店に備え付けられた小さなテレビで平日午後に放送されている海外のドラマをのんびり見ていました。
薄暗い店内でそのカウンターの中だけ明るいTV番組が放映されていて異空間のようだったのを覚えています。
徐々に場の雰囲気に慣れてきた我々は2人用ゲームの『ダブルドラゴン』に挑戦しました。
筆者とF君が筐体に並んで座りプレーしたわけですが、場の雰囲気もあって滅茶苦茶面白かった記憶があります。
※『ファイナルファイト』みたいな横スクロール型アクションゲームです
『ダブルドラゴン』をプレーしたあとその中学生の先輩に挨拶して店を辞去しました。
帰路で5人とも興奮気味で「面白かったなー!」と言い合ったのを覚えています。
大人の世界をちょっと垣間見た高揚感で溢れた一日だったのを覚えています。