『高橋名人』の思い出
かつてハドソン社員のプロゲーマーとして名を馳せた高橋名人。
高橋名人が人気絶頂だった1980年代、筆者は小学生でしたが周りの小学生男子と同様筆者も高橋名人に憧れ、「1秒間16連射」を崇敬の念で見ていました。
「連射」というのはファミコンのコントローラに対してひたすら指で振動を与えて1秒間に何連射などと連打の回数にこだわる行為でした。
高橋名人が人気だった当時はシューティングゲームが流行しており、いかにスコアを稼ぐためかに連射が用いられました。
高橋名人は1秒間に16連射できる腕前を持っており、当時のちびっこが真似したものです。
筆者もよく練習しました。
筆者が連射を使ってよく遊んでいたゲームはハドソンから出ていたこちらの「スターソルジャー」。
友だちを家に招いてよくこのゲームのスコアの勝負をしていました。
「全国キャラバン」と名打って、高橋名人が全国の催事場を行脚し、子供たちにプレーを披露したりスコアを競う大会が開かれたのも記憶に残っています。
また、高橋名人以外にも毛利名人などいろいろな名人が登場しました。
指でコントローラのボタンをこすったり、人差し指と中指を交互にボタン連打するピアノ打ちなど、個性的な連射方法を持つ名人たちが登場しコロコロコミックで特集を組まれたのもよく覚えています。
とくに毛利名人は高橋名人のライバルのような取り上げ方をされ、高橋名人VS毛利名人のような映画も放映されていました。
いまでは2人とも還暦を迎えた渋い名人ですね。
YouTubeチャンネルで2人の元気そうなお姿が拝見できます。
あまりに高橋名人が人気絶頂だったため、ハドソンから高橋名人が主人公のゲームも登場しました。このゲーム、後半難しかったですね~。
あまりに難しくて、筆者は全面クリアできませんでした。
当時はインターネットもまだなく、子供たちの間では根拠の無いうわさも広がりやすかったです。
「高橋名人ってコントローラにバネを仕込んで16連射してたんだって!それがバレて警察に逮捕されたらしいよ!」と隣のクラスのK君から聞いて、高橋名人信者だった筆者はとても衝撃を受けた記憶があります(もちろんデマです)。
高橋名人が当時よく言っていた言葉で「ゲームは1日1時間」というものがあります。
つまり「勉強でも何でもやりすぎは良くない、ゲームにだけ夢中にならず、いろいろなことを経験しよう」という趣旨だそうですが、本当に素晴らしい言葉だと思います。
しかし、当時の筆者はなぜゲームを1日に1時間に制限されるのかわからず、何時間も毎日ゲームに没頭していました。
それはそれで得たこともありますが、もっとも大事なのは「いろんなことを体験しよう」ということだと思います。
筆者は自分の子どもには親としていろんなことを体験して成長してもらうために機会をたくさん作ってあげようと思っています。