80年代の文化を懐かしむブログ

昭和52年(1977年)生まれの筆者が小学生だった1980年代を思い返して綴るブログです

「魔太郎が来る!!」の思い出

藤子不二雄A先生の作品「魔太郎が来る!!」の思い出について。

 

■学童(児童館)の図書館で読みました。

筆者は小学校1~3年の間、小学校の授業が終わると学童に通っていたのですが学童では図書室があり、たまにふらっと図書室に立ち寄り漫画や本を読んでいました。

図書室といっても畳敷の六畳間でしたが、絶対に自分では買わないような本や漫画があったので楽しめましたね。

思い出せる限りでは「魔太郎が来る!!」のほかに、「あぶさん」「どろろ」「怪物くん」「ドカベン」などをそこで読んだ記憶があります。

 

さて「魔太郎が来る!!」ですが、作者が藤子不二雄先生ということで筆者は「ドラえもん」や「パーマン」のようなほのぼのした作品だと思って手を取ったわけですが、中身を読んでそれはそれはびっくりしました。

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■ホラー要素たっぷりのブラックテイストに小学生の筆者は戦慄しました

のちにA先生が「笑ゥセールスマン」や「ブラック商会変奇朗」のようなホラー路線が得意と知るわけですが、当時の筆者には知るすべもなく読み始めたもののかなり恐怖を味わう結果となりました。

 

話の筋としてはこうです。

読み切りタイプの漫画なのですが、まず気弱な男の子で主人公の魔太郎が、クラスメイトにいじめられたり、他人に悪意をもって騙されて酷い目に合わされます。

復讐心がマックスに達すると魔太郎は人格が変容し、自分に危害を加えた者に復習を与えるというのが、この作品でよくある展開です。

 

このセリフ「このうらみはらさでおくべきか!!」とともに復讐を実行するわけですが、このセリフが当時筆者の周りの子どもたちの間で流行りました。

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筆者が覚えているエピソードとしては、新幹線に乗った魔太郎が隣の知らない男に脅された挙句無理やりチケットを奪われたり、三味線の材料として野良猫を狩って皮を売る商売をしている男が出てきたり(のちに魔太郎に誅される)、とにかく小学低学年には刺激が強すぎました。

昼間読んだ「魔太郎が来る!!」の話を思い出すと怖くなり、夜トイレに行くのもためらうくらい印象に残るシーンが多数ありました。

 

藤子不二雄A先生に直接伝えました。

10年くらい前の話ですが、筆者は東京の神保町の本社さんで藤子不二雄A先生のサイン会に参加してA先生ご本人からサインをいただいたことがあります。

 

著書にサインをいただくときにA先生と話す機会があったので、子どもの頃に「魔太郎が来る!!」を読んで夜トイレに行けなくなったことがあったことをA先生に伝えると先生は「ほう、それはいつ頃のこと?」と尋ねられたので「小学2,3年のことです」と答えるとA先生がにっこり破顔されました。

 

30年近くも前に読んだ漫画の話を、作品を描いたご本人と交わすとは想像もしなかったわけですが、短い間でもA先生とお話できたのは本当に僥倖でした。

そのときA先生にサインを頂いたサイン本とA先生とお話できた体験は筆者の宝物です。

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