80年代の文化を懐かしむブログ

昭和52年(1977年)生まれの筆者が小学生だった1980年代を思い返して綴るブログです

「『ギミア・ぶれいく』と『笑ゥせぇるすまん』」の思い出

かつて『ギミア・ぶれいく』という番組があり、筆者が小学校高学年から中学1年の間、楽しんで観ていました。

 

毎週火曜日夜9時から2時間の枠でTBSテレビ(当時6チャンネル)で放映されており、小学生の筆者は眠い目をこすりながら観た記憶があります。

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大橋巨泉さんが司会を務めるバラエティー番組で、ゲストコメンテイターとして関口宏さん、石坂浩二さん、ビートたけしさん、竹下景子さん、森口博子さん、藤子不二雄Aさん、森光子さんといったそうそうたるメンバーで構成された番組でした。(ゲストは毎回異なりました)

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2時間の中でいろいろな企画やアニメ作品が放送され、ひとつひとつが終わるとゲストがコメントを呈するという形式の番組でしたが、ゴールデンタイムに放送されるようなガヤガヤしたバラエティー番組とは異なり、当時の筆者からすると落ち着いた雰囲気の大人のバラエティー番組という印象でした。

 

筆者がこの番組で観て覚えている企画などをいくつか書き綴ってみます。

 

糸井重里さんの徳川埋蔵金発掘プロジェクト)

コピーライターとして当時から名を馳せていた糸井重里さんが徳川家の埋蔵金を発掘する企画でした。

場所はどこかわすれましたが、ショベルカーを何台も用いてどこかの野原をひたすら掘り返す企画でしたがこれが何週にも渡って放映されて、さも「もうすぐ発掘できます」という期待を込めたナレーションで締めくくられて、本気で埋蔵金が出てくると当時のうぶな筆者は信じていました。

夢がある企画でしたね。

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(ドミノ倒し挑戦)

ドミノ倒しを大の大人が本気で取り組む企画でした。

すさまじい枚数のドミノを使い芸術的なドミノを完成させていましたが、ときどき作成途中で事故でドミノ倒しが発動してしまい、作っている人が茫然としている映像も見受けられました。いまとなっては多少のハプニングも必要ということで織り込み済みの演出だったのかもしれませんが、小学生の筆者はドキドキしながら観ていました。

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笑ゥせぇるすまん

最後はこちら、藤子不二雄A先生の『笑ゥせぇるすまん』。

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小学校6年生のときに、クラスの友だちのI君が「ねぇ、笑ゥせぇるすまん観てる?」と教室で筆者に訊いてきました。

詳しく話を聞くと、どうも藤子不二雄作品のようで当時藤子不二雄作品が大好きだった(特に好きなのは劇場版『ドラえもん』と『エスパー魔美』)筆者としては自分が知らない藤子不二雄作品があることに興味を覚えました。

当時は知りませんでしたが、筆者は藤子不二雄先生はまだ合作されていると思っておりましたが、すでに藤子不二雄A先生と藤子不二雄F先生に分かれて作品を作られていました。

 

筆者が好きだったのは主にF先生の作品でしたので、そのまだ見ぬ『笑ゥせぇるすまん』とやらもタイトルからして、「きっと明るい笑顔なサラリーマンのおじさんのお話なんだろうなあ」と思っていました。

I君から『ギミア・ぶれいく』という番組枠内で『笑ゥせぇるすまん』が放映されていると聞いた筆者でしたが、当時午後9時には就寝していた筆者にとって午後9時放映開始の『ギミア・ぶれいく』を観るのはいささか大変でした。

 

早速眠い目をこすりながら『ギミア・ぶれいく』を観てみましたが、ゴールデンに放映されているバラエティー番組とはテイストが異なり、新鮮な気持ちで観たのを覚えています。

さて問題の『笑ゥせぇるすまん』が始まったわけですが、かなりびっくりしましたね。

そのとき観たのはタクシー運転手の主人公が調子に乗って妊婦さんの乗車拒否をしたことで罰を受ける話だったかと思いますが、とにかく苦い結末で驚きました。

 

喪黒福造の「ドーン!!!」も衝撃でした。

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このときの放映回だけではなく『笑ゥせぇるすまん』は徹頭徹尾、その回の主人公が喪黒福造という怪しげなセールスマンのささやきに負けて過ちを犯し、最終的に罰を受けるという教訓めいたお話で構成される短編集です。

また通常のアニメ放送と異なり『笑ゥせぇるすまん』が放映された後にスタジオに戻り、藤子不二雄A先生本人がコメントや解説をしてくれるのはいまでもかなり珍しいアニメ放送形態だと思います。

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おなじA先生の『魔太郎が来る!』を除いてはこのようなビターな漫画・アニメ作品は観たことが無かった筆者はいたく『笑ゥせぇるすまん』にハマってしまい、それから毎週『ギミア・ぶれいく』の視聴が楽しみになっていました。

 

あげく『笑ゥせぇるすまん』の漫画本も購入して愛読し、中1のときは新聞の企画で『笑ゥせぇるすまん』の缶バッチの懸賞に応募して妹と二人で当選した喪黒福造の缶バッチをゲットしました。

その後、大人になった筆者は神田神保町三省堂書店で開催された藤子不二雄A先生のサイン会で直接A先生と話す機会があり、本当に今でもよく覚えています。